国債という言葉を聞いたことある人は多いと思いますが、どのような商品か説明できる人は少ないのではないでしょうか。
この記事を読んでいただければ、債券の特徴、価格の動き方、どのようなお金を債券投資に使うと良いのかがわかります。
そもそも債券とは?
債券は国や会社が借金をする方法の一つです。
国や会社はお金を借りる代わりに、決められた利息の支払いや満期期間での借金の返済をする義務があります。個人の人がローンを組んだり借金するのと一緒ですね。
投資家は最初に債券を購入(お金を出す)ことにより、最終的には投資金額+利子相当額を受け取ることができます。この受け取る金額が投資時点で決定していることが債券の一番の魅力です。
A社社債
満期10年
表面利率1%
償還金額:額面金額100円につき100円
額面という言葉が出てきましたが、債券の単位です。(株で言う1株みたいなもの)
この債券を額面100万円分持っている投資家は、A社が潰れない限り毎年1万円(100万円の1%)、10年後に100万円受け取ることが約束されています。
メリット
- 発行機関(国や会社)が潰れない限りは、投資期間のキャッシュフローが約束される=安定的に運用できる
- 市場次第では途中売却をすることにより更なる利益を得ることができる。
デメリット
- 流動性が低く手数料率が高い
- 少額での売買が出来ない
配当金額、売却金額が投資時点で分からない株式と比較すれば債券は非常に安定的に運用できる商品になります。
また後で詳しく説明しますが、満期まで保有せずに途中で売却することにより、当初想定した利回りを上回ることもあります。
ここからはデメリットについて解説していきます。
上でも記載しましたが、債券には満期が決められています。同じトヨタ自動車の社債でも満期まで5年間のものと6年間のものでは違う商品になります。
そのため一つ一つの商品の流通量が少なくなってしまいます。どうしても証券会社に支払う売買手数料は株などと比べて高い傾向にあります。
また最低購入金額は日本の国債、社債であれば100万円程度のものが多いです。分散投資をするためには、多くの資金が必要です。
債券価格と利回りについて
計算は難しくなってしまいますのでここでは控えますが、
債券価格と利回りの間には次の関係性があります。
- 利回りが下がると債券価格は上がる
- 利回りが上がると債券価格は下がる
ここで言う利回りとは、購入した債券を満期まで持ったときに得られるであろう収益率(最終利回り)の事を言います。表面利率とは異なりますので注意してください。
念のため例を見ておきましょう。
A社社債
満期10年
表面利率1%
償還金額:額面金額100円につき100円
上で取り上げたのと同じ債券を1額面100円と105円で1万額面購入する場合の比較をしましょう。
購入価格はいくらであっても1万額面保有するので購入後に発生するキャッシュフローは一緒です。毎年1万円+満期のタイミングで100万円受け取ることが出来ます。合計110万円受け取れるわけですね。
ですが購入金額は100円の場合と105円の場合それぞれ100万円と105万円になります。
10年間の利益は10万円と5万円ですね。
これを投資期間、投資金額で割ると1.00%と0.48%になります。
債券価格が安い(100円)と利回りは高く(1.00%)なり、
債券価格が高い(105円)と利回りは低く(0.48%)となることがご理解いただけましたでしょうか。
債券の利回りは経済状況によって上下します。
景気が悪いときには投資を活発にさせるように中央銀行が政策金利を下げ、それが波及し債券の利回りも低下します。
一方で景気が良いときにはハイパーインフレなどにならないように中央銀行は投資に制限をかけようとします。政策金利を上げ、債券の利回りも上昇します。
仮にあなたが景気が良いときに債券を買い、保有期間中に景気が悪くなり利回り低下(=債券価格上昇)が起きれば、あなたはそこで債券を売却して当初想定した以上のリターンを得ることができます。
もし景気が悪いときに債券を買ったとしても、途中売却せずに満期まで保有し続ければ当初想定したリターンを得ることができます。
どのような資金を債券投資するか
このように最低のリターンが保証され、市場状況によってはそれ以上の収益期待もあることから、子供の教育資金など将来確実に支払う予定のお金を債券投資すると良いのではないでしょうか。
子供が産まれてから債券投資を始めます。最低のリターンだったとしても国公立大学に自宅から通わせることのできる金額を運用し、想定以上の収益があれば一人暮らしをさせる、私立大学に通わせるといった選択肢を増やすことができます。
株は長く持ち続けたからといって上昇してくれるとは限りません。このような運用は債券にしか出来ないことです。
まとめ
投資と聞くと株をイメージする人が多いかもしれませんが、債券も同様にとても有力な資産運用のツールです。
安定的に資産運用をすることが出来ますし、時には想定以上のリターンを得ることも出来ます。
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